社長のための経営のツボ 第6回
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不況期でも業績を上げる手の打ち方


景気回復は「神頼み」

景気が回復するか否かは、ひとえに政治にかかっているといえましょう。それとアメリカの経済が順調に推移することが前提にあります。適切な政策がとれるのかアメリカの経済がこのまま順調にいくのかは、神のみが知ると言う感じです。

こうなると、経営者は、「神頼み」をしたくなりますが、「神頼み」をしたら、経済が良くなる保証も、ありません。矢張り、自分の会社は自分で守るほか、手はないのです。

どういう手を打ったらよいのか。成熟した日本の場合は、トコトンお客様のご要望に応え、完全にご満足を頂くことなのです。では、どのようにして、お客様のご要望に応えるのか。


業務内容には受注型と見込型の二種あり

業務内容には受注型と見込型の二つがあります。中小企業の場合は受注型は、仕事をくださるお客様(仕事の発注者)は固定している場合が多いのです。建設、工作機械、自動車、造船、運輸、電機、通信、染色等々、長い年月をかけて、かちえた信頼関係によって仕事を受注することができるようになったからです。

見込型は、受注型と違って、お客様(消費生活者)は固定せず、不特定多数です。いつ来て下さるのか、明確になりません。しかし、これもまた長い年月を経てお客様と作り上げた信頼関係によって必要なときにお店にお客様が足を運んでくださるのです。

今は不況です。受注型は、元請けの発注者自体が思うように生産計画が立たないのです。したがって賢明な営業努力をしても、相手は「ウチだって計画が立たないんだぞッ」と声を荒げることになります。

見込型も同様です。お客様のご来店が少なくなりました。そこでお店側がお客様にダイレクト・メールを打つのですが、効果がないのです。家計収入が目減りしている状態ですから、DMを見ても購買欲がおこらないのです。


不況時における手の打ち方

通常の手の打ち方では効果がなければ、もう手の打ちようがないのでしょうか。そうではありません。経営コンサルタントという仕事柄、この不況期下でも業績の良い会社を見ることができます。それらの会社の共通した手の打ち方を披露しましょう。彼等は、受注型、見込型をより深めた経営法をとってるのです。

成功している受注型は「発注者に提案・提言をしている」のです。発注者は仕事が少ない。コストを下げたい。納期は短縮したい。品質は落としたくない等々と、多くの課題をかかえています。この発注者のもつ課題を解決する提案・提言ができれば、自分のところに仕事が回ってきますし、発注者に喜ばれるのです。

ある水道工事業者は、自社自らが家の修理や新築等の情報をとり、発注者になる工務店に仕事を回すという行動をとって成功してます。工務店にとっては、自分たちの営業マン以外に、外部の者が自社の営業活動してくれるのですから、戦力増強になります。当然その水道工事は、その水道工事店に回ります。

業積をあげている見込型の成功の手の打ちどころも、なんと受注型と結果は同じなのです。「お客様に提案・提言している」のです。つまり新聞の折り込み広告を見てもお客様は買い求める気持ちがわきません。

ダイレクト・メールをもらっても、その中身が一般的なものの場合、買う気になれません。仮に値段を下げたとしても、質の落ちるものは買わないのです。本当に自分の求めているものの場合は、値段が高価であっても買うのです。

そこで、個々のお客様が、何を求めているかをつかむことが決め手になるわけです。

あるアパレルのお店では、顧客お買いあげカードを徹底的に分析し、お持ちになってる品物(何を持っていないかがわかる)、色、柄、好み(何がいやなのかがわかる)をつかんで、例えば、「これはいかがでしょう。きっとゴルフにお召しになりますと、グリーンに映えて、存在感が出ると存じます」とその個人のお客様だけにお役に立つDMをお届けしているのです。顧客の暮らしへの提案・提言を、マスではなく個々に行っているわけです。

 このように、不況期では日本のように成熟した社会、貯蓄高の高い国においては、特に個々のお客様、会社に合った提案・提言がポイントになるのです。


付加価値経営こそ、経営の基本

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以上述べたことを、角度を変えて見ますと「付加価値経営の勧め」ということになります。図をみてください。「外部価値」というのは、文字通り社外の方々がつけた値打ちです。たとえば、寿司屋店を考えてみましょう。マグロや穴子やタイなどのネタは、商社や水産会社が頑張って入手したものです。寿司屋さんが価値をつけたものではありません。この魚介類(ネタ)に自分の、自店でのお値打ちをつけ、値段を設定して販売するのです。このお値打ちが付加価値です。外部の人がつけた価値の上にのせる、内部でつけた価値これが付加価値なのです。お値打ち=粗利益です。お客様が喜んで召し上がって下さると、それが売上となるのです。ここがポイントです。ものが売れないというのは、お店がつけた価値を、お客様が否定した状態なのだということです。

業績をあげている会社は、まさに社内でつけた「付加価値」を、お客様が認めてくれたということです。お客様が何を求めているかを、徹底的に調べ、考えて、それを提案・提言してこそ、今日の経営が成り立つのです。

この付加価値は会社存続のためには、なくてはならないものです。何故ならば、図で示されてるように、獲得した付加価値は三つに配分されます。一つは人件費です。これを賃金(または労働)分配率といいます。この人件費は社長さんからパートさんたちの報酬や賃金が含まれます。次に利益配分します。これを利益分配率といいます。利益は会社が存続するためのものです。もう一つは経費です。経費を予算より多く使いますと、当然人件費または利益を圧迫します。経費を何故用いるかといいますと、自分たちがつけたお値打ち、すなわち付加価値を、お客様にわかってもらうために用いる費用なのです。製造費、一般管理費、販売費という費用の経営的支出目的は、付加価値を認めていただくためであるといえます。経費は、とれるかとれないか不明な付加価値の前倒しであるわけです。

まだまだ厳しい経営環境ですが、とことんお客様の為を考えて経営行動をとれば、この不況期でも業績があげられることまた仮に業績があがらなくとも、次の業績向上に、必ず結びつくことを信じて、ご活躍下さい。ご健闘を切に願っております。


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