社長のための経営のツボ 第5回
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利益計画の立て方の基準に5つあり


会社経営を行うときに、いろいろ留意しなければならないことがありますが、最も重要なことに「利益計画」があります。「利益経営」というのは、その事業年度に、どれだけの「利益」を確保するかという計画です。

一昔前は、まず売上高を考えて、そこから仕入れ高を差し引いて売り上げ総利益(いわゆる粗利益)を出し、次に経費を差し引いて、結果として利益をいくら出すと、算出したものです。しかし、今は違います。まず「利益」を考えます。いくら利益を出すかは、各社各様ですが、具体的には、次のことを寄りどころとしています。

■利益の算出基準

【1】今年度返済する借入金の額を、利益に求める。
【2】設備投資の資金を、利益に求める。
【3】事業に注ぎ込む資金(総資本といいます)に対して運用利益を求める。
【4】従業員一人あたりの利益高から求める。
【5】前年度の利益高を上回る額を求める。

まず【1】について説明をしましょう。金融機関から資金を借りると、支払利息を払わねばなりません。そして、必ず借りた資金は、返さねばなりません。借金の返済は、利益から返すのです。もちろん、土地や株などを売却して借金を返す方法もあります。しかし健全な在り方は、事業活動を通じて得られた利益から返すことです。

【2】の場合、設備投資などを行ったならば、税引き後の利益と減価償却費を合計して(これを「キャッシュ・フロー」といいます)、何年で回収するかを考えます。

たとえば、1億円の設備投資をして、そこから得られる毎年のキャッシュ・フローが2千万だとしますと、1億円÷2千万円で、5年で回収が出来ることになります。6年目からは2千万ずつ稼ぎ出してくれることになるわけです。

【3】の場合はその事業年度に、仮に2億円の総資本を投入したとします。(総資本は、賃貸対照表の貸方または借方の合計額をいいます。)2億円を注ぎ込んで事業をするのですから、利回りを考えなければなりません。もし5%を期待するならば、1千万円となります。このように総資本に対する利回りを、「総資本利益率」といいます。

【4】の場合は、経営者と従業員の方々が一緒になって仕事するのは、従業員が賃金を獲得し、かつ会社が健全に生き残るための利益を獲得するためでもあります。一人あたりの平均賃金が、月額40万円として、一人平均が稼ぐ売上総利益(粗利益ともいう)が40万円だったら、利益はでません。何故ならば、売上総利益から、さらに販売費や管理費が引かれるからです。

【5】の場合は、利益が前年を上回ることを基準にしたものです。会社が成長するときにバランスがとれていることが大事です。それは、特に売上高と利益と人員についていえます。この3つがそれぞれ前年より伸びている場合利益の伸び率が売上高と人員の伸び率を上回ることが必要です。

売上高と人員では、売上高の伸び率が、人員の伸び率が、人員の伸び率を上回る方がよいのです。会社経営のポイントは、会社が存続するために利益を確保することと、従業員の賃金を確保することにあります。売上高が伸びることは、会社が大きくなることですから、多くの経営者が目指しますが、そのことが経営の目的ではないはずです。世間体で売上高を追い求めるよりは、質の利益を求めることが大切です。そして得た利益は、出来る限り内部に留保するべきなのです。利益は通常、4つに処分されます。1つは法人税等。2つは役員賞与。3つは配当。
そして残ったのを内部留保します。もっとも同族会社の場合、「内部留保金への課税」というのがありますから、税理士の先生方と相談されるとよいと思います。

さて、以上、利益算出基準の主なものをあげましたが、これらを1通り出してみて、最も高い数字を努力目標に、そして低い数字を確実目標と置いて、その年の利益目標とするのも1つの方法かと思います。なお、広義の利益計画には、「損益計画」だけではなく、「賃借計画」そして「資金運用計画」「資金繰計画」も含まれます。


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