社長のための経営のツボ 第1回
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小規模時代はワンマン経営が必要である


1.会社が成長・発展する5つのステージ

会社が成長・発展するステージには、5つの段階があります。

1.創業期
2.基礎確立期
3.後継者育成期
4.管理制度運用期
5.第二創業期

です。それぞれのステージのポイントを述べて置きます。

創業期 創業者が寝食を忘れて、直接もうけを生み出す仕事に専念する。
基礎確立期 資金を留保し、創業者の片腕になる人を育てる。ワンマン経営を敷く。
後継者育成期 次期経営者陣を育成する。権限を委譲して、トライさせる。
管理制度運用期 創業者のワンマン経営から、組織を仕組みで動かすようにする。後継者が経営内閣を構成する。
第二創業期 安定した業績にマンネリ化がはびこる。組織全体に活を入れ、新しい目標に向かって結束を強化する。

さてこの回では、創業期及び、経営基礎確立期における社長の在り方について述べることにします。


2.小規模時代は身内が頼り

世間ではとかく「ワンマン経営」が悪いときめつけています。とんでもない。「ワンマン経営」が不可避の時期があるのです。それは創業期及び創業期を過ぎた経営基礎確立期にです。

会社を起こします。その理由はいろいろです。当たり前の事ですが、世間はその「オギャー」と生まれた新会社が、将来立派な会社に成長するかどうかわかりません。まず、「お手並み拝見」という姿勢になります。これが普通なのです。事業が成功する経営者に最小限必要な条件は、次の4つだと思います。

1.欲がある
2.先見性がある
3.行動力がある
4.緻密な企画力がある

この4つが揃っていれば、まず創業期の周囲をとりまく様々な壁をうち破ることができると思います。もっとも創業期の壁は破れても、次々に壁が出てきますから、企業として成功するまでは並大抵ではないのです。さて、企業経営には次の4つの資源(要素)が必要です。

1.ヒト
2.モノ
3.カネ
4.情報

創業期には余程のことがない限り、この4つの要素には恵まれません。だから他人に頼らず、何事も自分で決める必要があるのです。

「ヒト」については、優秀な人材などくるはずがありません。何故かといえば、将来成功するかどうかもわからない仕事に、人は応募しません。したがって新聞、雑誌、職安その他に求人広告を出していても、応募してくるのは「自称優秀人材」であり、「自称意欲ある者」であり、「自称実力者」なのです。

したがって、「ヒト」の面でお勧めできることは、身内から募ることです。

最も安心なのは奥さんです。あるいは弟さんたちです。


3.時には身内を切る決断も必要

こうみてきますと、創業者が

1.欲
2.先見性
3.行動力
4.緻密な企画力

を持って行動したならば、自分の奥さんか、弟さんと一緒にスタートするのがよいようです。

ただゆくゆくはこのお二人方にも問題がでてきます。

それは創業期の奥さんは、経営の三大要素の「ヒト」、「モノ」、「カネ」のうち、最もウエイトの高い「カネ」を管理します。ムダがないか、不正はないか、資金繰りは大丈夫かなどと気をつかいます。つまり、「資金の統制」が主になります。しかし、会社が成長したらおカネを何に使ったら収益を上げるのに役立つかという「資金有効活用管理」が大事になります。

弟さんたちは、創業者と一緒に仕事をやって、何年か経ちますと自分なりの経営のやり方を確立しだします。ここで兄などの創業者と経営の手の打ち方などで対立しだすのです。

これらのことは、創業者がしっかりと対応していきませんと会社の成長が停滞してしまうのです。


4.決断には正しい判断基準が必要

身内のこと一つとりあげても、色々な難問が待ち構えております。このほか、「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」「時間」と様々な解決しなければならない課題が生じるのです。

これらに対して、「決断」するにあたって自分自身の「判断」で「決断」することを「ワンマン経営」というのです。

企業経営を行い続けるあいだ、この「判断基準」は常についてまわるといえましょう。「判断基準」は自由主義社会においては、創業者自身が決めるのです。ただし、社会的規範の反するものであってはなりません。そこで一般的には、経営理念的な、「判断基準」としては次のような視点をあげることができるでしょう。

■経営判断基準

それは、自分の主義・主張に即しているか。

それは、世の中に対して恥じることはないのか。

それは、お客様、従業員の幸せに反することはないのか。

それは、わが社が成長、発展していくうえに必要なことなのか。

なおワンマン経営をいつまでも続けるのはいけません。弊害のほうが大きくなり、自社の健全な成長発展の妨げとなるからです。ワンマン経営は創業期の基礎確立期においてとる一過性の体制であることも理解しておく必要があります。


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