旭屋出版MOOK「すしの雑誌」(近代食堂別冊)
 第24集 2001年2月号 P213掲載


 
  経営コンサルタント
  中小企業診断士
  福江 誠



成長を目指す経営数値の基準


 損益計算書と店舗経営効率表によって分析される項目は、主として店舗が生み出す儲け、すなわち店舗の収益性、生産性に焦点が当てられる。企業が存続できるのも成長・発展していけるのも店舗が生み出す利益があるからである。
 皆さんに自社の経営状況を自己診断していただくために、どういう経営数値を目標にすればいいのか、さらに経営状態を三つに分類して検討してみたい。


  ■存続可能レベルの経営指針

 まずは、存続可能な経営数値について検討してみよう。あなたの会社やお店が今後も存続していくためにいくらの売上が必要か。
 会社が存続していくためには、

1. 本部経費分担金(オーナー役員報酬を含む)
2. 借入金利
3. 借入元金返済
4. 納税資金
5. 利益配当
6. 内部留保

 の支出のうち、1〜3までを最低限、店舗段階利益で賄わなければならない。
 


 公式 9
 店舗管理可能利益=粗利益−営業経費

 公式10
 店舗段階利益=店舗管理可能利益−初期条件
 (地代家賃・リース料・減価償却費)

 公式11
 存続必要売上高=(本部経費+借入金利
 +借入返済+初期条件)÷店舗段階利益率




   例えば、1本部負担金が150万円、借入金利・元金返済の負担分(2プラス3)が100万円、これに初期条件100万円とした場合はどうか。公式11によって、必要売上高=(1+2+3+初期条件)÷店舗段階利益率=(150万円+100万円+100万円)÷15%=2,333万円
 この場合、店舗の売上高合計額が2,333万円ないと企業を存続していけないということになる。
 店舗段階利益率が20%である場合はどうか。
 同じように計算すると、1,750万円が必要売上高になる。
 無借金の場合(店舗段階利益率は15%)なら、1,666万円。多くの中小企業の借入残高がいっこうに減少しないのは、店舗の収益性が借入返済の水準を下回っているからである。銀行の企業格付けが一層厳格になり、金利も上昇されるなかでは、銀行に生かされる経営からの脱却が急務となるだろう。店舗力のアップ、すなわち店舗段階利益が確保できる仕組みがあるかどうかは、企業の存続に関わっているのである。


 




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