「解雇に関する条文の作り方」

●解雇には普通解雇と懲戒解雇がある


 使用者の一方的な意思表示によって、労働契約を終了するのが解雇です。
この解雇には普通解雇と懲戒解雇があります。同じ解雇であっても、普通解雇と懲戒解雇では性格が異なりますので、条文も別々に定めておいた方がいいでしょう。
ここでは普通解雇の条文について説明しておきます。
 普通解雇には、労働者側の事由による場合と、会社側の事由による場合があります。
労働者側の事情によるものとしては、勤務成績が悪いであるとか、精神的・肉体的傷害により業務の遂行ができないケースなどが考えられます。また会社側の事由によるものとしては、業績悪化による解雇などをあげることができるでしょう。
 いずれの場合であっても、どのような事由に該当したときに解雇になるのか、を明らかにしておきます。


●一定の要件を満たさないと整理解雇は認められない


 解雇条文の中には、たいてい「事業の不振により剰員を生じ、他の職務に転換することも不可能なとき」といった事項が記載されています。
これは、事業不振によってやむを得ない場合には解雇する、ということです。
いわゆるこれが整理解雇ということになるでしょう。ただ、このような規定があるからといって簡単に解雇できるかというと、そういう訳にはゆきません。
整理解雇が認められるためには、一定の要件を満たしていることが求められますが、これは次のようなものです。これに照らしてみて、整理解雇が有効かどうかが判断されるということになります。


* 企業経営上やむを得ない必要性があるか
* 解雇回避の努力をしたか
* 解雇対象者の人選に合理性はあったか
* 社員に対して十分な説明や協議を行ったか


●解雇を行う場合には解雇予告が必要
 
 賃金で生計をたてている労働者は、解雇されればそれ相応の経済的ダメージを受けることになります。そのダメージを少しでも緩和するために、労働者を解雇する場合、会社は30日前に予告をすることが必要です。
また、予告せずに即日解雇するのであれば、30日分の予告手当を支払うことも労働基準法では定められています。
この場合、解雇予告と予告手当は、トレードオフの関係にあります。例えば20日前に解雇予告するのであれば10日分の予告手当を支払えばいいということです。
ただし、次に該当する者に対しては解雇予告も予告手当を支払う必要もありません。


* 日日雇い入れられる者(1カ月を超えて引き続き使用されることとなった場合は除く)
* 2箇月以内の期間を定めて使用される者(2カ月を超えて引き続き使用されることとなった場合は除く)
* 季節的業務に4箇月以内の期間を定めて使用される者(4カ月を超えて引き続き使用されることとなった場合は除く)
* 試の使用期間中の者(14日を超えて引き続き使用されることとなった場合は除く)




戻る