「退職に関する条文の作り方」

●退職条文には退職日付も記載しておく

就業規則の作成にあたって、退職に関する事項は必ず記載しておかなければなりません(絶対的記載事項)。
退職には、本人の自己都合、定年制による自然退職、期間を定めた契約で期間満了による場合などがあります。
社員の身分を失うという意味では、ほかに解雇もありますが、退職と解雇では取扱いが異なりますので規定を作成するときは別の条文とすべきでしょう。
 退職条文の作成にあたって留意すべき点は、退職事由と同時に退職の日付についても明らかにしておくことです。
退職日付は、特に記載されていなくても実務上はあまり問題になることはないかもしれません。
しかし、退職時の混乱を防ぐという意味で、いつが退職になるのか、事由別の退職日付についても規定しておいた方がいいのではないかと思います。
●自己都合で退職する場合は2週間前までに申し出ればよい

 本人からの申し出によって退職するのが自己都合退職です。
この場合、会社としては後任者にその業務を引き継いで貰わなければ困ります。
引き継ぎに要する期間は、業務の内容によっても異なるでしょうが、ある程度の期間が必要でしょう。
そのため、退職にあたっては一定期間前までに会社に申し出ることを就業規則に規定するのが一般的です。

 このとき、どの程度の期間をとるべきでしょうか。
会社としては、なるべく早い時期に申し出て欲しいものと思います。通常は1カ月前までと規定していることが多いのではないでしょうか。
これについては法律の規制があります。民法第627条の期間の定めのない契約の解除に関する条文です。
これによれば、契約を解除するには2週間前までに通知すればよいことになっています。

 とすると、1カ月前までに申し出ることと定めている就業規則の規定は違法になるのでしょうか。
これは、社員の意識を喚起するという意味であれば、特に違法な扱いとはならないようです。
ただ、就業規則の規定を根拠に、退職の申し出があってから1カ月間拘束することができるという訳ではありません。
就業規則の規定を無視して2週間後に辞めますとの申し出があればこれに従わざるを得ないということです。




●定年退職の規定の留意点

 一定の年齢をもって自動的に労働契約を終了するというのが定年の定めです。
日本の企業は、たいていこの定年制を設けています。
定年の年齢については、「高齢者等の雇用の安定等に関する法律」によって、60歳以上でなければならないとされています。

 したがって、これを下回る定年制を設けることはできません。
更に、本人が希望する場合は65歳まで雇用を継続するよう努めることも規定されています。

 なお、平成10年の労働基準法の改正により、定年後の再雇用については3年以内の単位で契約することができるようになっています。もし、自社において再雇用制度を設ける場合には、その点にも留意しておくべきでしょう。

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