「採用に関する条文の作り方」

●募集・採用時の提出書類

 社員を募集する場合、選考のために必要な書類を応募者から提出してもらうことになると思います。
また、採用が決定すれば、社内の事務手続きで必要になる書類を提出してもらうことになるでしょう。
 採用に関する条文の中では、まずそれらの提出書類に関する定めを記載することになります。
このとき、応募時の提出書類と採用時の提出書類については明確に区分しておいた方がいいでしょう。
同一の条文の中で提出書類としてまとめてしまうと、いつの時点で出してもらうべき書類かが分からなくなるからです。



●試用期間の定め

 試用期間は、採用した者が、社員としての適格性を持っているかどうかを判断するために設けるものです。
この間に、勤務態度や能力を判定して、本採用するかどうかを検討し、適格性がなければ解雇するということになります。
試用期間の長さは、一般的には、3カ月や6カ月としていることが多いようですが、適格性の判定にどの程度の期間を要するかは仕事の種類や内容によって異なるはずです。
また、試用期間は必ず設けなければならないというものではありません。
自社の業務をよく勘案して期間設定をすべきでしょう。
 場合によっては、試用期間の延長について規定する場合もありますが、試用期間の延長は無条件で認められるものではないことに留意してください。



●期間を定める契約

 労働契約には、期間を定めない契約と、あらかじめ一定の期間を定めておく契約の2つがあります。
期間を定める契約をする場合、従来は1年を超えることはできませんでしたが、平成10年の労働基準法の改正で次に該当する場合は3年以内での契約が可能となりました。
@次に掲げる専門的知識等を有する労働者を新規に雇い入れる場合
●新商品・新役務(サービス)、新技術の開発又は科学的研究に必要な知識、技術であって、労働大臣が定める基準に該当する高度な専門的技能を有する労働者
●事業の開始・統廃合のためのプロジェクト事業において、必要な専門的知識、技術、経験であって労働大臣が定める基準に該当する高度な専門的技能を有する労働者
A満60歳以上の労働者を雇い入れる場合


●労働条件の明示

 労働契約を締結するにあたっては、労働者に対して労働条件を明示しなければなりません。
口頭で明示すればいいものもありますが、
@賃金に関する事項
A労働時間に関する事項
B労働契約の期間
C就業の場所・従事する業務の内容
D退職に関する事項、については文書で明示することが義務づけられています。
A〜Dは平成10年の労働基準法の改正によって追加されたものです。
これらのうち就業規則に記載されていないものについては、別途文書を交付する必要があります。

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