「就業規則の作成と改正」

●就業規則の作成手順

就業規則を新たに作成する場合、まず就業規則の原案を検討することになります。これは、自社においてどのような労働条件を設定するか、を考えるということです。考えがまとまったならば、前回説明した記載事項に留意したうえでこれを条文化してゆきます。

できあがった就業規則は、労働基準監督署へ届け出ることになりますが、その際労働者の過半数を代表する者の意見を聴く必要があります。そして、届け出にあたっては、これを意見書の形で就業規則に添付します。ただし、これは協議を行うということではありません。あくまで意見を聴くということですから、出てきた意見を就業規則に反映させるかどうかは会社の方で自由に判断できます。

もちろん、出てきた意見を聴きながせばいいということではありません。お互いに協力しあうという観点からは、できるだけ話し合った方が会社の業務にもいい影響が出ることはいうまでもありません。

就業規則の作成手続きの流れを示せば次の図のようになるでしょう。

●就業規則の改正

就業規則は、作成して届け出さえすればそれで終わりというものではありません。自社をとりまく経営環境の変化や法律の改正に合わせて、適宜見直しをしてゆかなければなりません。ことに法律の改正には十分留意しておく必要があるでしょう。最近も、労働基準法や男女雇用機会均等法、育児介護休業法などの改正がありました。当然、それに即した就業規則の見直しが必要になります。

ところが、実際には適切な見直しが行われていないこともよくあります。法律改正があったことを知らない場合もあるのでしょうが、就業規則は一度作成さえしておけば法的義務を果たしたことになると誤った理解をしていることもあるように思います。

前回も説明したように、就業規則は労働者と会社の間の労働条件を定めた契約とも考えられます。労働条件に変更があれば、就業規則の見直しを行うとともに再度届け出が必要になるのです。

就業規則の見直しにあたっては、不利益変更に注意する必要があるでしょう。不利益変更とは、すでに定められている内容を労働者にとって不利になるように変更することですが、これは原則認められません。例えば、経営状況が悪化したので、既存の退職金制度を廃止するといったことはできないということです。

もっとも、どのような場合であっても不利益変更が認められないという訳ではありません。その変更に合理的な理由があれば認められますし、不利益変更であっても労働者の方がこれを受け入れるのであれば問題はありません。合理的な理由として認められるかどうかは、不利益変更の内容・程度、その必要性、代償措置の有無といった観点から総合的に判断されることになります。


戻る