「労働時間に関する条文の作り方−(2)」

●フレックスタイム制では出勤、退勤の時間を
会社が指示することはできない

 フレックスタイム制は、すでによく知られている制度といっていいでしょう。
一定期間における所定労働時間を契約し、その時間の範囲内において、出勤する時間及び退勤する時間を本人の判断に委ねるものです。
 自分の裁量によって出勤、退勤の時間を決めることができますので、社員にとっては便利な制度といえるでしょう。
しかし、会社にとってメリットがあるかどうかは慎重に検討する必要があります。
というのも、フレックスタイム制をとった場合、出勤、退勤の時間について会社から指示することはできないからです。
例えば、会議があるから定時に出勤してこいといったことはいえないということです。
 また、業務上の都合で一時的にフレックスタイム制を解除して、別の始業時刻・終業時刻を適用することも認められません。
 このようなことを考慮すると、全員がチームワークで働く工場のような職場には向かないでしょうし、また、社員のモラールが低い職場もフレックスタイム制を導入すべきではないでしょう。
 なお、フレックスタイム制を導入するためには、就業規則への規定とともに労働者代表との間で労使協定を締結する必要があります。





●みなし労働時間制には事業場外労働と裁量労働がある

 みなし労働時間制というのは、実際に働いた時間とは関係なく、労使の間であらかじめ取り決めた時間を働いたものとする制度です。そして、その労働時間に対して賃金が支払われます。
 このみなし労働時間制が適用されるのは、労働時間を把握することができない事業場外労働と、社員が自らの裁量によって労働時間を決める裁量労働の2つがあります。
また、裁量労働には業務が特定されている専門業務型と、企画・立案・調査・分析といった業務に携わる者を対象とした企画業務型があります。企画業務型裁量労働は、平成10年の労働基準法の改正により追加されたものであり、平成12年4月から実施されています。
 専門業務型裁量労働制を導入するためには、労使協定を締結するとともに労働基準監督署への届け出が必要です。企画業務型裁量労働制については、労使委員会の設置・届け出を行い、この委員会によって裁量労働の対象者やみなし労働時間を決定しなければならないこととなっています。




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